ピカデリーの読書部屋

「この本読んでみて!」をお伝えする日記です。

『かがみの孤城』小説感想

こんばんは。

かがみの孤城を読んだので感想を書きます。

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【あらすじ】

表紙の女の子が主人公のこころちゃんです。彼女は学校でいじめられ、家の中に引きこもってしまいます。

家の中で引きこもっていると、鏡に不思議な異変が生じます。そしてある日、鏡はこころちゃんを吸い込んでしまいます。

かがみの中にはお城があり、こころちゃんと同じように吸い込まれた子供たちがいました。

 

【感想】

物語において異世界ワープものはよくみます。例えば、子供の頃にみてたデジモンの印象が私の中では強いです。子供たちが現実世界からデジモンワールドに飛ばされてデジモンたちと冒険するはなしです。

僕はこの小説を読み始めて序盤でこころちゃんが異世界に飛ばされたとき、そんな感じの物語なのかな、と思ってました。おかしな生き物と出会い、仲間たちと現実世界に戻るために奮闘するはなしなのかな、と。

でも全然違いました。かがみの中のお城に居られるのは1日のうちの限られた時間だけ。それ以外の時間は現実に戻っていなければなりません。かがみの中には狼のお面をかぶった謎の少女が居て、その少女が子供達にとある使命を与えています。しかし、かがみの中の世界がなんなのか、多くが謎に包まれたまま物語が進んでいきます。そこで、登場人物たちは「現実世界での問題」と向き合い、戦っています。ありがちな異世界ファンタジーではなさそうな雰囲気なんです。

最後に謎が解き明かされたとき「マジか!!」と叫びたくなる作品です。

 

辻村深月さんの作品は何年か前に『ツナグ』を読んだことがあるので、この作品で2作品目です。

ツナグの内容はあまり覚えていませんが、最後に暖かい真相明かしがあったことは覚えています。普段よく読む小説が殺人ミステリなどの暗めな話が多いので、こういう暖かい涙をたまに流すのも乙なものですね。

人間関係に疲れ、人間の暖かい部分を忘れかけてしまっている人は是非読んでみてください。