『グランドマンション』叙述トリックの詰め合わせ!小説感想
こんにちは。
ピカデリーです。
『グランドマンション』以前に読んだので紹介します。
叙述トリックとは、文章の書き方で読者をミスリードしたり、曖昧な表現をしたりして読み手をだますテクニックです。
例えば、「男だと思って読んでたらその登場人物は実は女だった」「白人だと思ってたら黒人だった」「現在の話かと思ってたら過去の話だった」などのように、ラストに大どんでん返しの種明かしがされたときに読者がびっくりするというようなトリックです。
叙述トリックの醍醐味はラストの謎の解き明かしシーンなのですが、200ページや400ページくらいある小説だとラストまで長く感じてしまうんです。
もちろん、トリックだけが作品の魅力であるというわけではありませんが、常に疑いの目で登場人物たちを見てしまうので、感情移入も難しいように感じます。
『グランドマンション』はそんな人におすすめの作品です。一つ一つの話が短いということは、謎の提示と解決が短い間隔でポンポン繰り返されるわけです。
楽しいとこがたくさんあるということですね。
僕はパフェが好きです。特に下の方にたまってるコーンフレークが好きです。
通常は食べ進めていって最後にたどり着くことができるコーンフレークが、何層にも分かれて度々出てくる。
そんな小説です。(?)
下手な比喩すみません。
叙述トリックで有名な作品の中には、そもそもそれが叙述トリックであるかどうか最後まで分からない作品も多いと思います。
しかし、折原一さんの作品は、作者名をみて読者が「これは叙述トリックだ!」と疑って読んでしまうのでハードルも高く設定されているはずです。
それでも飽きない短編がいくつも詰まっていてこの本は凄いです。
推理力に自信がある人も読んだことがなかったら読んでみて下さい。